ミニ色紙

まめづた　12月

まめづたや　楠大木の　宮の庭

戦前、子供だった私達は、よくしらみをわかしたものだ。
お友達と遊んでいる時、人の知らぬ間にまめづたを採っておき、
あなたのしらみとってあげると髪の毛をかきわけてぷちっ！　
とこのまめづたを二つ折りにつぶしたものだ。

毎朝、神社参拝をしていた時のこと、高い石段の両わきは深い森になっており、
よく椎の実の落ちる平地もあった。
楠の大木か？　そのもとで人の気配がしたので見ると、
若い女性がキヤンバスに向って見事についたまめづたを写生しているのだ。
芸術家はやはり見る目がちがうと、
初めてまめづたの美しさに気づかされたのである。