ミニ色紙

桜　4月

風せんも　おりに高舞ふ　花見城

桜は私の心から終生切りはなすことの出来ない思い出の花である。
現在、熊野本宮大社は156段もの石段を登りつめたところに、
白木作りの荘厳なお社が鎮座ましましているが、
明治22年の大水害に会うまでは熊野川と音無川にはさまれた三角洲の森の中に、
それはそれは立派なお社があらせられたそうである。

そこを旧社といって、私達はそこで育ったのである。
旧社地は雄大にそびえた桜にかこまれており、
広い芝生と運動場になっていた。
4月15日の大祭には現代の神社から渡御で旧社に神様をうつされて神事を行い、
花の時には色んなグループのお花見、
運動会には村中総出の楽しいものとなった。

体操の時間の合い間には、
芝生の中のもじずりの花などを探しては喜んだものであるが、
大阪城の花に佇ってふる里の桜をしのんだ。