短冊

瓜となす　7月

高い山から谷底みれば
　　　瓜やなすびの花ざかりゆ
　
或る日、
高い山から谷底みればよ　瓜やなすびの花ざがりよ
アレワイドンドンドン　コレワイドンドンドン。
このユーモアのある民謡もいつの間に消えたのが、
花のステージにも登場しない。
目をむくような野菜の高価な時代、きらわれたのかな。
ふる里の本宮は昭和13年頃まで毎年2、3回水害に見舞われた。
私も子供の頃とて荷上げをして2階住いになり、
舟が町をゆく風情をみて喜んだものだが、
その時、押入れの中に古い三味線をみつけて避難してきた親戚のおばさんに、
高い山から……を教わったことを思い出してなつかしい。