（No.258）4月18日（水）
　今日はじいさん部屋の掃除に行って、メッチャクチャ懐かしい物をもらって帰ってきた。
　10歳まで過ごしたふるさと熊野本宮。野山をかけまわっていて見つけると、必ずポキッと折って食べていたごんぱち（いたどり、すかんぽともいう）。じいさんが先日、滋賀から福井方面へ車で桜見物に連れて行ってもらったときに、摘んできたそうで、色鮮やかで酸っぱくて大好きな味そのまんま。思いがけずあの頃が久々によみがえった。
　今は世界遺産となった熊野本宮大社が明治22年8月、大洪水で流される前にあった場所、今は「大斎原（おおゆのはら）」というが、子どもの頃は「きゅうしゃ（旧社）、きゅうしゃ」と呼んで、恰好の遊び場だった。すぐそばに我が家があった。運動会もここでやっていた。運動会の時とは別に、大好きなフォークダンスをして楽しかった記憶もある。本当に楽しい思い出のいっぱいある子ども時代だ。
　じいさん、どこへ連れて行ってもらっても、歩くのが速くて、後に続く遅い人たちを迎えに戻ると、そして84歳だ！と、わしが一番偉い！と今日も大ゼスチャーでさんざん自慢していた。
　ごんぱちを採ってきてくれたから、まあ許したるわ。

（No.257）3月30日（金）
　和輝、22歳の誕生日おめでとうなー。毎日、同じ事の繰り返しの日々のようで不安に思ってるかもしれないけど、決してそんなことない証に、昨日、今日の2日間で、パソコンを使う塗り絵の方法を一から順番に教えてくれたもんね。このハハに教えようという気になるだけでもすごい！
　言われるとおりに必死にメモを取ると、「ハイ、１人でやってみー」。優しいねんけど、グサッと厳しく突き放す指導法。昨日間違えたところもちゃんと指摘してくれて、なんと！今日、描いた絵をスキャンしてパソコンに読み取り、レイヤーとやらを出したり？分けたり？して色塗りをするところまで教えてもらいながら出来た！し、しんじられへ〜ん。新しいことが出来るようになるって嬉しいもんやなあ。

　絵を描き、パソコンで色を塗る。何だか、思いもしてなかったことが、私のこれからの楽しみの一つになっていくかも…。
　なんせ先生が2人もいるしなー。

（No.256）3月15日（木）
　「お母さん一緒に絵描こうや」と誘われながらも、中学を卒業してからは？音楽、音楽で全く絵を描くこともなく、もっぱらイラストのカット集に頼りまくってたから、なかなか誘いに乗れなかったハハ。
　ところが、昨年10月にB5のスケッチブックを買ってからは、ちょっとずつ一緒に絵を描く機会が増えてきて、おととい、なんと2冊目の、今回はクロッキーを購入。
　和輝の指導がうまいと思うし、すごくやる気が出てくるほめ方をしてくれる。さっきも、静かなさりげない口調で、「お母さん、模写うまいで〜」と言ってもらったものだから、めちゃ嬉しくなっちゃって、めちゃつぶやきたくなっちゃって…。
　和輝共々、お世話になっている、かがわともこさんがホームページを作られ、和輝の絵にリンクを貼ってくださった。絵はもちろん、おしゃれも人柄もいつも素敵だなあと思う。

（No.255）3月9日（金）
　昨日、今日は千代ばあちゃんの命日。ハハがぶつぶつつぶやき始めて丸一年。はや〜い！……と続いてUPしたかったのに残念！寝てしまった！
　今日はハハの母方のおばあちゃん、ますみばあちゃんの命日になる。常に台所に立っているおばあちゃんだった。蒸しパンをいつも作ってくれて、バターをつけて食べたあの味は忘れられない。卵の重さを計って、同量の小麦粉と砂糖を混ぜて、重曹も？入れて蒸す！……と教えてくれたような気が。作りたい！のに、とんでもない覚え間違いをしてること大だから、勇気がなくて未だにその機会を棚上げしている。
　お兄ちゃんが生まれたとき、ますみばあちゃんが手伝いに来てくれた。この頃には、物忘れが多々あったますみばあちゃん。100メートル程離れたオトーさんの実家でお風呂に入らしてもらい、帰りは我が家に帰れるか、千代母さんによく見送ってもらっていたっけ。
　そして10年後、和輝がお腹にいて、あと1ヶ月で予定日という時に、天国に旅立った。その和輝も30日で22歳になる。
　千代母さん、ますみばあちゃん、その節（節どころではないけど）はありがとうございましたー。

（No.254）3月3日（土）
　昨日、「和輝、明日は3月3日で結婚記念日やねん。オトーさん何周年やったあ？」「知らん！」「お兄ちゃんが31歳やから32周年か…」。
　そして今日、「さあ、今日は3人でパーティーしょうな」。待てよ、お兄ちゃんももうちょっとで32歳…ということは…33周年かあ？　AYAばあちゃんの歳82―結婚した年昭和49＝33。確かに。結婚は33年前の3月3日のようだ。
　めちゃ食べ物の好き嫌いの多いオトーさんと、料理をしたこともないハハの結婚で、お互いに苦労っちゃあそのへんが苦労やったかな？オトーさんはどうかな？でもまあ、みんな大きな病気もせずに無事生きてることを思えば、いい苦労やったんかなあ。
　昨日和輝が突然、「お母さん、不幸やと思たことある？」「う〜ん、ないなあ！」
　そして今日も、久々に和輝と行ったコスモールで、おじいちゃんが付けてくれた私の名前の由来が、「いいことが多い子に」だという話から、Yさんの「今幸せですか？」の質問に「はい、幸せですー！いろんなことあるし、お金はないですけど、幸せです！」と言うと、「幸せだと即答する人はめずらしい」と、たいそうびっくりしてくれた。（そんなことないやろ〜！チッチキチー！）
　33周年の結婚記念に思いがけない質問を受けて、私の56年をちょっぴり振り返らせてもらった。